第十二章 調査編 その1


ショウが一人でいた頃、スーとカーツは廊下に出ていた。


「ここで、少し調べてみたいの。」


「わかった。何か手伝うぜ。」


「いえ、いいの。それより、カーツこそ、自分のことをしたら?」


「俺は・・・。」


そう、カーツの専門は補助魔法。

誰かと共に助け合って始めて効果があるものだ。


「だから、手伝うんだって。」


「じゃ、そっちで立っててくれるかしら。」


「オーケー。」


そして、スーは一つの道具を取り出した。

それは、なんともいえないような奇妙な形をしていた。

ただ、確かに鏡のようではあった。


「これは、陰陽(いんよう)の鏡といって、残された魔力の様子を調べるの。」


「そうか、で、それで俺はどうしたら?」


「そうね、例えば・・・魔力を具現化するような魔法なんか使える?」


カーツは不安げに答えた。


「そうだな・・・。出来ないことは無いかもしれないが。」


「そう・・・。」


ふと、カーツが思い出したようにつぶやいた。


「そうだ、あれを使えば・・・。」


「何かあるの?」


「ああ、うちに伝わる伝説の球がある。」


「それで?」


「まあ落ち着け。それは天地の球といってな、全てをつかさどると言われている。」


「そっか・・・。そうね、試してみる価値はありそうね。」


かくして、必要なものはそろったようだ。

早速、スーが鏡、カーツが球を使って調査してみた。


すると、なにやら音がして、二人の前に大きな影が現れた。


「ふぉっふぉっふぉ。このわしをよびだすとはのう。」


「あなたは・・・?」


「わしか?わしはこの校舎に住む魔力の一部じゃよ。」


「そう、ですか・・・。」


その魔力の一部と名乗る影は、さらに語り続けた。


「わしはあの山犬に取り付いた魔力の一部でな、剣によって追い払われ損ねた部分なんじゃ。」


「剣、ってあの伝説の?」


「お前らじゃそう呼んどるの。じゃが、実はあの話には続きがあってな。」


「え?」

それは、始めて知る事実であった。

もちろん誰も知ることは出来なかったからだ。


そこへ、ショウが戻ってきた。


「お待たせ・・・って、あれ?」


ショウは今のその影の正体がわからないようだが、あまり気にはしていなかった。


「あらショウ、もういいの?」


「ああ、大丈夫。」


「ふぉっふぉっふぉ、やつのせがれかい。こりゃ面白そうじゃ。」


「それで、どうなったんですか?」


カーツは話の展開が気になるらしく、影を急かしていた。


「そうじゃった。実はあの剣は魔力を吸い取り切れなかったんじゃ。」


「え?」


これには3人とも驚いた。

これが真実なら、その魔力はいかに強力だったってことだ。


「大部分は吸い取られ、一部はわしのように校舎に残り、そして・・・そうじゃな、2割くらいが逃げ出した。」


「それが・・・今のルノですか?」


ショウはすかさずたずねた。


「少し違うのぉ。今の、ではなくて当時の、だ。」


「それってまさか・・・。」


「そう、この数年で大きく力を蓄えておる。ちょうど、当時の力ほどに回復したのじゃろう。ついに動き始めおった。」


「それじゃ、伝説の剣でも勝てないんじゃ・・・。」


カーツの言葉をきいて、2人は言葉が出なかった。

果たして、あのルノに勝つことは可能なのだろうか?

さらに謎の影の言葉は続くのだった・・・。


第十二章 終わり


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