第十四章 対決編 その1
いよいよショウたちは本来の目的地である美術室に向かった。
本当の闇の中に向かうように一歩ずつ一歩ずつ。
そして、行き着いた先には、リョウの姿が。
「やあ、遅かったね。ボク待ちくたびれたよ。」
見た目はリョウだが、中身はルノ。
そう、ショウたちはレイの中にあるルノと戦わなくてはならないのだ。
「そろそろレイから離れたらどうだ?お前はもう十分魔力を蓄えているだろ。」
カーツが尋ねる。
そう。本来なら、ルノは十分な魔力を持って一人で行動できるはずなのだから。
「そうはいってもね、ボクは実体がないのだよ。だから、こうして誰かに乗り移らなければならない。自分で実体化することもできるけど、魔力の強い者に乗り移ったほうが楽だしね。」
「そういうことか・・・。でも、何でレイなんだ?」
ショウが尋ねる。
すると、ルノは笑いながら答えた。
「あはは、ボクが乗り移りやすいのは、心に隙の出来たものなのだよ。レイ君は君に対して劣等感を抱き始めた。いくら自分が強いといっても結局は何も出来ず助けられたのだからね。」
「そういうことか・・・。それじゃ、あの山犬の時も?」
「そう、もうひとつの要素として怒りによる冷静さの欠如があげられる。あの犬はひどく怒っていたからね、それを利用させてもらったのだよ。ちなみにスーさんの時は孤独による隙を突いたのさ。」
「なんてことを・・・。」
「さあ、おしゃべりはここまでだよ。ここにいるということは何を意味しているか、もう君たちには分かっているよね?」
そう、分かっている。
ここで両者が対峙する事、それは戦いの始まりを意味するのだ。
「では、遠慮なくいかせてもらうよ!」
ルノは空高く飛び上がった。
「何!」
「行くよ!ボクの魔力達よ!今こそボクの力となりこの世界に召還されよ!」
ルノがそう唱えると、闇の中から4体の大きな魔物が現れた。
「さあ、この子達を倒してごらん。それで君たちの力は分かるよ。」
「いつまでもふざけやがって・・・。ルノ!待ってろ、すぐ倒してやるから!」
カーツは挑発に乗って怒りはじめた。
「だめ!止まりなさい!」
そこへ、今まで黙っていたスーがいきなり大きな声をあげてカーツを制止した。
これにはカーツどころかショウまでも驚いた。
「今はショウの力を信じる、それが私たちの役目でしょ。」
「あ、ああ・・・。」
「ルノはショウに任せて、私たちはあの雑魚をさっさと倒さなければ、ね?」
「そうだな・・・。ショウ、というわけで、ルノは任せるぞ。」
「分かった。」
「なるほど、ボクはそれでもいいよ。さあ、ショウ君。いつでもおいで。」
ルノはあくまでも余裕たっぷりの様子だ。
それとほぼ時を同じくして、カーツ達は4体の魔物と戦うことになった。
「こいつらか・・・。でも、今の俺たちなら簡単に倒せるよな?」
「そうね・・・。まあ、ルノが生み出した魔物だから、油断は禁物よ?」
「了解!では、俺の華麗なる魔法を見せてあげますか。」
カーツは魔法を唱えた!
「ぐ・・・ふふふ、きいとらんぞ!」
「どうしたのカーツ?さっきの自信は?」
「よく見ろ、スー。今の魔法は敵全体の魔力を下げ、味方一人の攻撃力に加算させる効果だ。」
「そう、とどめは私に譲ってくれるのね。」
「ああ。俺は補助専門なんでな。」
「それじゃ、遠慮なく行かせてもらうわよ!」
スーはアイテム「天地の巻物」を読んだ!
敵全体に大ダメージ!
「ぐおおおおお・・・。」
「ほらな、俺の魔法も役に立つだろ?」
「まあ、たまにはね。」
「ちっ。」
カーツとスーは無事魔物を倒すことが出来た。
さて、いよいよショウとレイ、つまりルノとの一騎打ちが始まる。
果たしてショウはレイを助けることが出来るのか?
第十四章 終わり